最近私は全くブログを更新できていなかったが、それには理由がある。
関西に赴任が決まって忙しかったのだ
引越しの準備をして、役所に届け出をしていたら全くこのブログを書く時間がなかったわけである。しかしながら、日本で第二の経済を持つ地域である関西で仕事をできることは外国人がわからないようなディープな情報を知るにはピッタリだ。というわけで久しぶりにこうして筆を執っているわけである。
ところで関西という地域に関して皆さんはどんなイメージを持っているだろうか?

関西というのはこの写真のように6つの県を構成する地域の事で、またの名を「近畿地方」とも呼ばれる。1000年間都であった京都や商業の中心地であった大阪を持っているので非常に外国人観光客にも人気である。
今回私が仕事のために引っ越したのは兵庫県の県庁所在地である「神戸」だ。のんびりした港町だが、それについての細かい話はまた後日しよう。今日はもっと広い視点でのテーマ、つまり私が育った東京を含める「首都圏地域」とこの「近畿地方」の違いを分析してみよう。
関西と関東の比較
さて、日本の二大都市圏である関東と関西を経済の観点から分析すると簡単に次のような違いが分かってくる。
関西

人口:20,700,000人
GDP:810,000,000,000ドル
教育:大阪大学、京都大学、灘高校
中心都市:大阪・京都・神戸
関東

人口:36,000,000人
GDP:1,536,900,000,000ドル
教育:東京大学、一橋大学、開成学園
中心都市:東京・横浜・さいたま
両者とも人口・経済共にラテンアメリカの一国と同じくらいの規模を誇っている。例えば関東地方のGDPはメキシコ全土のGDPとほぼ同じであるし、関西もアルゼンチンのGDP以上の富を持っている。
人口も非常に多い。どちらの地域もヨーロッパの小国以上の人口を持っていてビジネスにも非常に有望に見えるだろう。
仮に子供を育てるとしても双方の地域にレベルの高い教育機関があるので、教育の問題も起きないように見える。つまり両方とも住むには非常に魅力的な土地なのだ。
ついでに言えば、歴史や日本の伝統的な文化が好きなのであればやはり関西の方に軍配が上がるだろう。千年間都であった京都を週末旅行すれば豊かな文化に触れることが出来るし、西洋と交流するために作られた神戸に行けば多文化な街並みを楽しむことが出来る。
しかし、実際に仕事を探すとなれば話は別だ。
関西は圧倒的に仕事が少ない。特にITでは。
関西はITの仕事が圧倒的に少ない
関西には関東に比べていくつものメリットがあり、結果的にQOLは関西の方が高いように見える。しかし、致命的な問題がこのITの仕事の少なさだ。現在IT関連の仕事は外国人が日本で安定した収入を得ることが出来る数少ない仕事の一つだが、その仕事がこの関西には少ないのだ。
実際に求職情報を検索できる「Duda」というサイトで募集されている仕事の件数を調べてみた。

今回はSE、インフラエンジニア、Webエンジニアなど日本語が比較的必要とされないプログラマーの仕事の数を確認してみた。すると結果はこうだ。
東京:10,000件

大阪:2,000件

明らかに関西の中心地である大阪には
プログラマーの仕事が
少ないとわかるだろう
これにはいくつかの理由があるからだと思われる。
日本の政治と経済は東京一極集中
まず日本は東京を中心とした一極集中型の経済政策、政治政策をとっていることは大きな影響を与えていると思う。例えばほとんどの上場企業は首都である東京に集まっており、大阪にある企業は東京と比べると少数だ。例えば東京に本社を置いている上場企業の数は1700社だが、大阪には430社しか存在しない。つまり人口を見ると関西は関東と同じくらい大きな地域だが、ビジネスの観点では規模が小さいのである。
IT企業は他の産業よりも同じ地域に集まる傾向にある
日本のIT企業は他の産業と比べてより東京に集積する傾向にある。本来はIT技術を利用することでテレワークもできるから田舎にいてもITの仕事はできるはずなのだが、多くのプログラマーは勉強会に参加して新しい技術を学ぶことにどん欲だ。そのため彼らは簡単に勉強会に参加したり、商談できる東京に集まってきているのだ。だから相対的に他の地域に住むメリットが低くなるのだ。
あなたが学生なら関西はベスト!

このようにIT企業で働いている日本人の私が言うのだから関西はプログラマーにとって決していい土地ではない。しかし、もしあなたが学生なら関西は最高だろう。伝統的文化と都会があり、東京よりも物価が安いこの地域は外国人の留学生が生活するにはピッタリだ。さらに東京と比べても外国人の数は半分か3分の1である。
大学生として1年留学するくらいなら関西での生活は悪くない。それに心配しなくても飲食店はたくさんあるのでアルバイトもできるだろう。しかし、仮に外国人として日本で長い期間生活することを考えているなら関西は勧めない。やはり仕事とチャンスが多い東京に行くべきだ。
外国人が集まっている地域には外国人のためのビジネスを展開するチャンスもある。だからこそ東京に行く方があなたの人生をより良くする可能性があると私は思っている。
もちろん今日語ったことはあくまでもビジネスと仕事の観点での話だ。一般的生活や物価の話をすると関西の方が非常に安い。次回はぜひこの一般的な生活の方に関しても説明していきたいと思う。