生活

皮肉の都:京都

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京都という町は果たして住むと楽しい町なのだろか。私がそんな疑問を持つのはあまりにも多くの外国人が「日本に住むなら京都に住みたいな」と言うからだ。だが、日本語がわかる私達日本人にとって京都は観光する場所ではなく、旅行するところである。そして住みたくない最も大きな理由は日本人にとっても全く理解できない高度な皮肉を使う文化のせいだ。

日本で最も皮肉を使う人たち

ironic man touching chin in contemplation
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日本人は言っていると事と考えている事が全く違う。この本音と建て前の文化を多くの外国人達は不満に思っているが、こと京都の建前のレベルは群を抜いていて私達日本人にも理解ができない。仮に理解できたとしてもそこには強烈な嫌味がこもっているので理解できない方が良かったと思うほどだ。有名な表現はいくつもあるがまずは私の経験を紹介しよう。

美味しいですか?お上りさんには新鮮な味でしょう?

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これは家族旅行で京都の有名なレストランに行った時の話である。カウンター席で料理人と話をしながらご飯が食べれるということがこの店の特徴でガイドブックにも載っている名店だった。ところが、ある料理を食べて「これはおいしいですね」と言った父に向ってその料理人は「お上りさんには新鮮な味でしょう」と言い放ったのだ。

お上りとは「都に行く」=「都に上る」という表現から生まれた田舎者を意味する単語だ。未だに古典的な京都人は、半分冗談だろうが、日本の都は京都だと思っている。だから「東から来たお前たち田舎者はこんなにうまいものは食べたことがないだろう?」という言葉を使うわけである。東京出身の我々はその言葉を聞いた途端、

「うわぁ…京都人だ…」と内心苦々しく思ったのだった。

高額商品だけ見せる店員

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京都人の嫌味は言葉だけではなく態度にも表れる。特に伝統的な香を売るような店に行くと皮肉のレベルも非常に高い。

私は先日京都のある有名な線香屋を見つけ入ったことがあった。そこは線香の博物館もあり、実際に様々な物質の匂いを嗅ぎながら買い物ができるという面白い店だった。そこで買うつもりはなかったが興味半分に時間をかけて香炉などを見ているとある店員が私に話しかけてきた。

「いらっしゃいませ、お客様何かお探しですか?」

「ええ、いえただ見てるだけですが素晴らしいですね」

「ありがとうございます。例えば香炉でしたらこんなものもございますよ?」

この店員は随分と丁寧な言葉遣いをする男だった。私は先ほどのレストランのような経験をしているので基本的に京都人があまり得意ではないのだが、全員が嫌味な人間ではないなと感心していたわけである。

だが男が持ってきた小さい香炉を見せて仰天した。値段が300,000円なのである。こんなのとても買えそうにもない金額だ。ショーケースの中には30,000円のものもあるのにどうして私にこんな高級品を見せるのだろうか。

そんな疑問がわいた瞬間すぐさまここが京都だということを思い出した。もしかするとこの男は「香は高尚な文化だ。金が払えないなら帰れ」と行動で示しているのではないかと理解した。私は静かに「うん、素晴らしい商品ですね。しかし、そろそろ行かなければいけませんのでまたの機会にしましょう」と言って店から出るしかなかった。

もしかすると単純に良い香炉を見せただけかもしれないが、本心が分からず疑心暗鬼になってしまうのが京都で生活するのが難しい理由だ。

インターネットでも有名な京都の皮肉

何も京都の皮肉は私だけが勝手に被害妄想で感じていることではない。インターネット上ではもはやミームとして京都人の皮肉は定着し、京都人以外も冗談で使うようになってきている。他の例もインターネットから紹介しよう。

『良い時計してますなぁ・・・こ、これが京都なのか・・・』実はこれが京都の本音?8選 | Lion News

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「いい時計してますね」

A. 時計を見ろ、お前と話す時間はもうない。

「どこから来たんですか?賑やかでいいですね」

A. 田舎者が、店の中でうるさいぞ。

結局、移住者としては京都は排他的な文化で非常に疲れる。それならとなりの大阪に住めばいいと思うのだ。あそこは文化的に率直だし、新しいものを好む地域だ。

そんなわけで私はいつも日本語のわからない外国人の人達は京都人の嫌味を理解しているのかどうか疑問に感じながら彼らを観察している。

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