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日本の経済を牛耳る企業か?総合商社のビジネスを知ろう!:どこに私の仕事はあるの?⑤

総合商社とは有名なボードゲームのようにモノポリーを目指す日本の大企業である。しかし、不思議なことにヨーロッパではあまりこのような企業を見ることはできない。例えばInditexは繊維産業において世界的な企業であり、Banco Santanderはスペイン金融会の王だ。しかし、コンビニエンスストアサンタンデールは存在しないように、それぞれ自分の得意な分野のビジネスに集中している。

ところが総合商社はこれらの企業とは大きく異なり、貿易業を祖業としながら様々な分野でもビジネスを行っているコングロマリッド企業だ。さぁどうしてこんな会社が生まれたのか知るために今日は日本のビジネスの歴史を勉強しよう。

日本は言語や文化が他国と大きく異なる国だ。まるでヨーロッパの中のバスク地方と言っても差し支えはないだろう。しかも長年各国との貿易をあまり行わなかったことはさらにこの国を孤独にさせた。そのため世界の文化と貿易について知識を持っている日本人が少なかったのである。だが侍の時代が終わると突如日本の製品を海外へ販売するためのプロフェッショナルが必要となり、その半ば国策的な役目を担ったのが総合商社の人間であった。方言しか話せない人が珍しくなかったこの時分において、巧みにフランス語や英語を操り新興国日本の製品を欧州列強に売り込んでやろうと息巻いていた彼らこそ、時代が育てた国際的エリートと呼んでもいいだろう。

こうして彼らはまるでヴェネツィアの商人のように日本の生糸をイギリスの市場に売り、ドイツの機械を日本に持ち帰って富を築いた。この莫大な富を彼らはさらに有効活用しようと考える。貿易以外の分野への投資だ。

実は彼らの戦略は正しかった。トヨタホンダなど国際的な大企業が生まれると、これらの企業は自ら貿易を行う子会社を運営し始めた。実際トヨタの子会社の中に豊田通商という総合商社もある。しかし、この戦略は総合商社には用済みの烙印を押されたのと同義だ。このためすべての会社が様々な分野に投資を行い、貿易以外のビジネスを作ることに集中し始めた。

この潮流の中で生まれたのが、川上川下を抑えるという思想である。これは川をサプライチェーンに見立ててビジネスを考える時の専門用語で、川上は石炭や鉄鉱石などの天然資源のこと、川下はスーパーマーケットや洋服販売のような消費者と直接行うビジネスのことを指す。総合商社は元来輸出入を祖業としていたため川中の会社だったが、このころからオーストラリアの鉄鉱山の購入やコンビニエンスストアの展開などを行うようになっていった。これが現在の総合商社がコングロマリット企業になった理由である。

実際このような戦略のため商社は儲かることならなんでも行う。成長中の企業に融資することもあるし、買収し子会社として利益を得ることもある。つまりこの企業に入れることは世界中で様々なビジネスをするチャンスを得られるということなのだ。わたしはこの点に非常に惹かれていた。

さらにこれらの企業は年収の高さも魅力である。平均年収は約100,000ユーロ。仕事の種類によっては他国からプレゼントとしてパスポートがもらえるという特権もある。会社の中で能力を積めば会社の金でハーバードビジネススクールに行くプログラムもある。まさに目指すべき会社はここにあると思っていた。

TIP1 総合商社の男: 下衆な話だが総合商社で働く男はよくモテる。その理由は結局のところこの圧倒的な社会ステータスだ。付け加えるとプロのビジネスマンは話も面白い。

どうにか総合商社に入るための方法を学べないものか…考えた私は就職センターにあった卒業生の名簿を思い出した。そうだあれを使えば…

次回へ続く

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